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生真面目な男
- 2018.07.04
前回のブログで
「テヌータ ディ ヴァルジャーノ」の醸造責任者の
サヴェリオさんのお話を書きました。
今回はもう少しその時のお話を書きたいと思います。
ビオ臭という不快なもの
彼(サヴェリオさん)は ビオディナミ農法の実践者です。
いわゆるビオワインです。
ビオワインを飲むと玉ねぎや卵が腐ったような香りが
することがしばしばあります。
一般に「ビオ臭」と呼ばれるワインの欠陥です。
時間が立てば大抵は消えるのですが
お世辞にも良い香りではありません。
ビオワインの輸入元やショップにこの事を言うと
「そんなに臭くないですよ、、、もごもご」
と、ごまかそうとします。
しかし!
サヴェリオさんのワインはまったく臭くありません。
どうしてビオ臭がしないのか聞いてみました。
「清潔にすることさ。」
なんともシンプルな答え! と同時に思い出したのは
フランスの生産者の事です。
ルフレーブという世界最高の白ワインの作り手と言われる
ビオディナミの実践者なのですが
醸造所内にチリ1つ落ちていないそうです。
ここもまたビオ臭は一切見当たりません。
なるほどそういう事か!と納得の答えでした。
真面目か!
あと、その時に2010年の
サヴェリオさんが仕込んだ
赤ワインを飲んでいたのですが
「2010年は大変だったよ。とても難しい年だった。
ブドウが心配で朝4時には自然と起きてしまって
畑に出かけていたよ。」
生真面目すぎます、、、。
悪天候の時ほど醸造家の腕の見せ所だそうです。
「2009年は昼前にちょっと畑に行って、あとは毎日バカンスさ!」
、、、生真面目?
好天候の時はほっといてもブドウが育つので仕事が
あまりないそうです。
「2010年は自信作だ!」と言っていました。
手をかけて苦労したから愛着があるのでしょうね。
事実、とっても美味しいワインでした。
生産者の生の声を聞くと
ワインを大事に扱わなくては!と背筋が伸びます。
今日は5年程前の思い出話でした。