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ワインの澱(オリ)の正体
- 2018.07.10
澱ってなんですか?
「このワインは澱(オリ)がございますので
デキャンタージュさせていただいてもよろしいですか?」
レストランでこのように言われた経験がある人はいますか?
今日は「澱って何なの?」という疑問に答えようと思います。
赤ワインボトルの底にライト等を当てると
黒っぽい砂のようなものが沈んでいる事があります。
これが澱です。
ポリフェノールやタンニン(渋みの元)などが
結晶化したものです。
長期に渡って保存している間に
これらの成分が固まって沈んできます。
ワインが若いうちはあまり澱が出てくる事はありません。
(例外はあります)
澱は美味しいワインの証
高品質で酸やタンニンが強い赤ワインは
年数を重ね熟成する間に澱となって余分な成分が固まり、
ワインの味がまろやかになっていきます。
年数の経った物で澱がしっかりあるワインは開ける前から
「美味しいかも?」と期待値が上がります。
ボトルの底面を覗くとボコッとくぼんでいる物がありますが
澱を沈めて舞い上がらないようにする為のものです。
フレッシュなうちに飲んだ方が良い軽快なワインは
底面がフラットになっています。
この澱は飲んでも大丈夫な物なんですが
ザラザラしていて苦かったりするので
取り除いた方がベストです。
なのでデキャンタージュが必要なんですね。
少し例外もあります。
ピノノワール種で作られるワインは
比較的澱も美味しく飲めてしまう事があります。
ピノノワール種の一大産地のフランスのブルゴーニュ地方の生産者に
「美味しくて澱も飲んじゃいました」と言うと喜ぶという話を聞いた事があります。
でもカベルネソーヴィニョン種などを作っている
ボルドー地方の生産者に同じことを言うと
「コイツはワインをわかっていない」
とバカにされるそうです。
今日は澱にフォーカスを当ててみました。
レストランで多少澱が入っている状態で
注がれたとしても人体には影響ないので
「そんな事もあるよね〜。」
ぐらいに流すとスマートだと思います。