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酸化防止剤の誤解をときます!
- 2019.07.10
頭痛の原因
何年か前にビオワイン好きの人達が
こぞって言っていた事があります。
「酸化防止剤の入ったワインを飲むと頭が痛くなる。」
さらに「ビオワインは酸化防止剤が少ないから頭が痛くならない。」
そして日本では酸化防止剤無添加ワインなるものが
販売されていて、酸化防止剤が悪であるように
思っている人がいます。
酸化防止剤と頭痛の関連性はないという説が
現在では有力となっています。
ビオワイン信奉者は都合が悪いので押し黙っていますが
これはとんでもないデマであったと思います。
現在では頭痛の原因は「ヒスタミン」「チラミン」といった
物質であると考えられています。
これらはワインの醸造の過程で行われる
「マロラクティック発酵」を行う際に発生する物質です。
鋭い酸を持つリンゴ酸を乳酸に変える作業で
味わいをまろやかにするなどの作用があり
殆どの赤ワインと一部の白ワインで行われます。
レガーメのお客様の中でも赤ワインは頭痛がするから飲めないけど
白ワインなら飲めるという人が何人かいらっしゃいますので
おそらく間違いないでしょう。
酸化防止剤の役割
ワインの裏ラベルを見るとほとんどのワインに
酸化防止剤(亜硫酸塩)含有と表記されています。
では酸化防止剤の役割とはどういったものか。
まず、収穫したブドウの果皮には
雑菌が多数付着しています。
それをそのまま放置してワイン作りを始めると
発酵が途中で停止してしまったり
微生物汚染が広がり不快な香りになってしまいます。
またワインを製造する過程で空気に触れる事があります。
樽熟成をするときなどです。
ボトリング時も触れますね。
微量の空気に触れる事はワインにまろやかさを与えたり
複雑な香りを生成するなどメリットがあります。
しかし当然酸化のリスクがあります。
それを過度に酸化させないのに不可欠なのです。
ビオワインにおける酸化防止剤
ではビオワインはどうかと言うとまったく入れていないか
ごく少量の使用にとどめているところが多いようです。
ただビオワインにもほとんどのワインに
酸化防止剤は使われています。
とても丁寧に作られたビオワインは美味しいですが
雑に作られた物も多く流通していて
お酢みたいになっていたり腐敗臭がするワインも散見されます。
このような事態にならないためにも
酸化防止剤は不可欠であると私は思っています。
ビオワインでなくても悪意をもって添加しない限り
酸化防止剤は必要最小限しか入っていないので
健康には全く問題ありません。
酸化防止剤無添加ワインの真実
「ではコンビニで売ってる酸化防止剤無添加ワインはどうなの?」
とお思いになるかもしれませんが
工業的な製品でおよそワインとは呼べないシロモノです。
あのような製品は日本にしかありません。
濃縮果汁を水で薄めて酵母と砂糖を入れて発酵させる、、、
濃縮果汁で輸入すれば輸送費が節約できる、、、
安価で売られている裏にはこんな事情があります。
あなたにはぜひ騙されないでいただきたいです。
酸化防止剤の誤解が解けて安全で美味しいワインが
流通する事を心から願ってやみません。