レガーメ神楽坂

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BLOG

話題の海底熟成ワインを斬る!

  • 2019.10.30

話題の熟成ワイン

 

今、海底熟成ワインがちょっとした話題です。

 

そもそも海底熟成が最初に話題になったのは1998年です。

 

第一次世界大戦中の1916年にロシア皇帝から

フィンランドにいるロシア軍にシャンパーニュやコニャック、

ブルゴーニュワインを送りました。

 

その船がスウエーデン沖でドイツ軍によって

沈没させられてしまいました。

 

その後、海底スキャンで船を発見して82年ぶりに

地上へと引き上げられました。

 

コニャックやブルゴーニュワインはダメになっていましたが

シャンパーニュはまだ若々しく素晴らしい味わいだったそうです。

この銘柄は「エドシック・モノポール」というシャンパーニュで

奇跡のシャンパーニュとして大変話題になりました。

 

更なる奇跡

 

その後、更に大きな事件が起こります。

2010年にフィンランド沖の海底に沈む難破船から

シャンパーニュが引き上げられました。

 

もう存在していないメーカーの「Juglar」という物と

有名メーカーの「ヴーヴクリコ」でした。

ヴーヴクリコは1830年代前半のものと確認されたので

実に180年も海底に沈んでいた事になります!

 

その味わいはイキイキとしてフレッシュ、

輝く黄金色でハチミツの香りがしたそうです。

 

生き残った理由

 

なぜ劣化せずに生き残っていたのでしょうか?

これは様々な偶然によるものだったとされています。

 

光の届かない水深60メートル程の場所、

ボトル内のガス圧と同じくらいの水圧、

保存に最適な水温、完璧な熟成条件が揃っていたのです。

 

何故注目されているのか?

 

では今なぜ海底熟成が話題かというと日本の伊豆で

海に沈めて熟成させてから出荷する業者が現れたからです。

 

「これは検証せねば!」という事で早速購入してみました。

フジツボが付いています、、、。

これはガチですね、、、。

 

ワインはチリ産のカベルネソーヴィニョンです。

検証するには通常の状態のワインも同時に開けて

比べるのがベストだと思います。

通常の方は楽天価格で3000円弱です。

対して海底熟成ワインは、、、11000円!

高い!!!!

 

情報によると12月から5月までの半年間、

水深15メートルに沈めたそうです。

 

15〜19度の海水温、微振動により

ワインセラーに置くより早く熟成するという触れ込みです。

早速飲み比べてみました。

写真ではわかりませんが右の海底熟成の方が

若干ですが色が濃いです。

 

香りは明らかに違います。

通常の方はブドウ由来の青い香りが強めです。

海底熟成の方は青さが控えめで煮詰めたジャムのような香りです。

 

味わいは共にしっかりとした果実感が感じられるフルボディ、

しかし海底熟成の方がまろやかで熟成香もわずかに感じられ

明らかに良い変化をしています。

 

通常の物を4〜5年寝かせたようなイメージです。

 

ただやはり大きく気になる点があります。

値段との釣り合いが取れていません。

 

このワインを11000円で買うくらいなら

いくらでももっと良いワインが安く手に入ります。

 

海底に沈めただけで4倍近い金額を取るのは

いくらなんでもやりすぎです。

 

固く安い肉をドライエージングして熟成肉として

高く売る商法と似ています。

 

話のタネにはなりますが一度買ったらもういらないという

結論となりました。

 

高い買い物でした(涙)

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