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最強のオレンジピール作り
- 2020.06.09
本物のオレンジピールとは?
今日はオレンジピールの作り方を解説していこうと思います。
オレンジピールとはオレンジの皮を使ったお菓子です。
オレンジピールで検索をかけるとレシピサイトで
「皮を茹でこぼしてシロップで数分煮て乾かす。」みたいな
作り方がほとんどです。
正直その方法で出来るんですがハッキリ言っておいしくありません。
では市販品はどうかと言うと添加物をタップリ使っています。
本来すごく時間がかかるものを添加物で工期を圧縮しているのです。
当店では決して手を抜かず手間をかけて作っています。
出来上がるまで1ヶ月ほどかかります。
それではいきます!
徹底解説!
まず用意するものは夏ミカンです。
オレンジじゃないの?とお思いかもしれませんが
これには理由があります。
夏ミカンは農薬を使わないんですね。
農薬を使わなくてもバンバン実をつけるのです。
皮を調理するには健康的で最適なんです。
まず夏ミカンを半割りして果汁を搾ります。
この果汁は使わないのでジュースとして飲んだり
煮詰めてジャムにして使ったりしています。
果肉の房を取り除きます。
白いワタは残します。
ヒタヒタの水と夏ミカンを火にかけ沸騰させて30〜40分煮込みます。
竹串がスッと入るぐらいまで火が通ったら火から下ろし水気を切ります。
水1kgに対して極細粒グラニュー糖500gを沸騰させてシロップが
40℃にさめたら夏みかんを入れ押蓋をして完全に冷めたら
冷蔵庫で3日漬け込みます。
長い道のりの始まり
さあここからが大変です(汗)
漬けた夏みかんを取り出し漬けていたシロップの重量を計りその15%の
極細粒グラニュー糖を入れ沸騰させ粗熱を取り、みかんを入れ冷えてから
2日漬け込みます。
あとは同じ作業を繰り返します。
2日後に15%、その4日後に10%、その4日後に5%、
その5日後に10%、その3日後に5%という具合です。
徐々に糖度を上げて浸透させていきます。
いきなり高糖度のシロップを入れると漬かりません。
この間に糖度計でシロップ濃度を測りながら調整していくのですが
糖度計って2万円以上するので、無ければ上記の漬け込みスケジュールで
やれば多分問題ありません。
シロップの糖度がブリックス70度程度まで上がりました。
水1kg、極細粒グラニュー糖500gのシロップで夏ミカンを洗います。
これをやらないと糖分が結晶化してしまいます。
写真の状態のように網に乗せて熱したオーブンの余熱で10分乾かし完成です。
冷凍で保存して1年間使っていきます。
全工程が終了するまで1ヶ月もかかります。
市販品とは香り、柔らかさなど全く違います。
上品な甘みと爽やかな香りが鼻腔をくすぐります。
これを様々なデザートに展開していきます。
パウンドケーキに入れたり、ガトーショコラに仕立てたり、
現在は当店の名物の「新しいティラミス」に使用しています。
夏ミカンのコンフィとカンパリオレンジゼリー、
チョコレートシャーベットなどを使用した複雑な味わいのティラミスです。
ぜひ体験しにいらしてください。