夏にジビエはありなのか！？

• 2020.08.06

ジビエとはなんぞや？

ジビエという言葉を頻繁に聞くようになりました。

ジビエとはいわゆる狩猟肉のことで野生の鳥獣を表すフランス語です。

一昔前はジビエというと「臭い」というイメージがあり

食通の方が「全然臭くないのにね〜」なんて言いながら

食べている感じでした。

特にフランス料理店では昔からジビエ料理を出す店が多く

牛肉や豚肉をちょっと下に見ている風潮も以前はありました。

ですがジビエは全然一般的ではなく敬遠される方が多かったです。

今はかなりの数のお店でジビエが食べられるようになりました。

これは増えすぎた野生の鹿や猪が農作物を食い荒らすなどの被害が多発して

日本政府が狩猟を推奨し始めたことによることが大きいと思います。

狩猟時期はいつ？

一般的にジビエの季節は秋から冬とされています。

これは木の実などをたくさん食べて良質な脂を蓄えているのと

冬眠を控えて栄養を沢山摂取しているので美味しいからです。

以前は猟師は春夏は猟をしませんでした。

ですが駆除対象としての狩猟が増えたため

通年で行われるようになりました。

そもそも「秋冬以外は美味しくねーよ。」と

猟師さんは思っていたので春夏のものは食べる機会がなかったのです。

実際食べてみると秋冬とは違った美味しさがある事がわかったという事です。

食べてみたら美味しかった！

特に夏鹿と呼ばれるものはおすすめです。

夏のオスの鹿は繁殖期の前に栄養を蓄えるのでとても美味です。

味わいはすごくさっぱりとしていて柔らかく

マグロの赤身を食べているようです。

クセも少なくジビエが苦手な方も食べられます。

そして脂が少ないので低カロリーで高タンパクな

ダイエットに最適な食材です。

秋冬物の野生味や味の濃さを求める方は物足りないかもしれませんが

個人的には今の時期の鹿はとても気に入って使っています。

でもやっぱりダメな時期もある

と言っても時期的に美味しくないジビエも存在します。

例えば冬眠明けの熊です。

熊は冬眠に備えてしっかり栄養をとるのですが

冬眠明けは身体が痩せ細り、その肉はとても食べられたものではありません。

熊のパスタを当店はよくお出しするのですが

脂の量をうるさいほどに確認してから仕入れます。

あと生臭くないかもですね。

これは鮭を沢山食べた熊は肉に匂いがうつるためです。

猟師さんの腕次第

あと重要なのは猟師さんの血抜きの技術です。

どんなに素晴らしい個体でも血抜きに手間取ったりして

時間がかかると肉が臭くなってしまうんですね。

特に蝦夷鹿は注意が必要です。

個体が大きいので仕留めたその場で手際良く血抜きしないといけないので

猟師さんの高い技術力が要求されます。

本州鹿ですと個体が小さいので生け捕りで処理施設に運べるので

血抜きや解体処理が迅速に行われるので当たり外れが少ないです。

また蝦夷鹿に比べて肉質が柔らかいので当店では積極的に本州鹿を使っています。

今夏は夏鹿のローストをマウンテンペッパーベリーというタスマニア産の

スパイスを使用したソースでお出ししています。

鹿とスパイスはとても相性が良く

ワインもスパイシーな風味の赤ワインが良く合います。

この夏は夏鹿で決まりです！！

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「でもやっぱり牛肉がいいんだよな。」という方は

こちらをご覧ください。