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ジャガイモのニョッキの作り方を教えます。
- 2020.08.26
ニョッキの思い出
ニョッキについてお話したいと思います。
私がコックになりたての頃、もう25年前ぐらいのことですが
ニョッキって全然一般的じゃなかったんですね。
そもそも洋食といえばフレンチばかりでイタリアンってマイナーだったんです。
ニョッキって日本で言うところの水団(すいとん)だと
長らく誤解されていて、私自身も昔はそうだと思っていました。
水団って粉っぽいお団子で結構硬いですよね?
私は正直あまり好きではありません。
フレンチのコックからイタリアンに転向して、
現地で修業されたシェフと働いていた時に教えてもらったニョッキが
とても衝撃的だったことを今でも憶えています。
とても柔らかくトロけるような食感。
ジャガイモの甘味がしっかりと感じられて粉っぽくない。
とても感動しました。
それ以来ずっと私の得意料理としてニョッキを作り続けています。
当店のニョッキのファンって結構多くて、某有名企業の会長さんが
「東京で一番旨い!」といつも褒めてくれます(笑)
それは大袈裟かもしれませんが美味しい事は間違いありません。
今回はそんな当店のニョッキの作り方を大公開しちゃいます!!
ニョッキの作り方を大公開!
まずジャガイモですがメークインを使います。
ここで注意なのは新ジャガイモを使わないということです。
新ジャガイモは水分が多くネットリとしていますので
口に入れるとホロリと崩れる食感を目指す当店のニョッキには不向きです。
最初にジャガイモをタワシで洗い、水から茹でていきます。
水から火を入れないと周りが先に火が入って
中心が生煮えになってしまうので注意しましょう。
塩をしっかり効かせた水でジャガイモを火にかけて
一度沸騰したら火を弱めてゆっくりと火を通していきます。
ちなみにジャガイモは皮ごと茹でます。
グラグラと沸いたお湯だとジャガイモが崩れて水分でビチャビチャになってしまいます。
そしてゆっくり火入れすることによりジャガイモの甘みが増します。
竹串で中心までスッと刺さる程度まで火を通したらお湯から引き上げます。
ここからスピード勝負になります。
熱いうちに素早くジャガイモの皮を剥きます。
剥いたらすぐに網で裏ごしします。
ポテトマッシャーで潰すという方法もありますが
当店は滑らかな食感を出すために網で裏ごします。
裏ごしする際に注意することは垂直に押して裏漉すことです。
手前にしゃもじを引く感じで裏漉してしまうと
ジャガイモに粘り気が出てベタベタとした団子のようになってしまいます。
これは最大のポイントとなります。
また冷めてから裏ごしてもいけません。
冷めると中々裏漉せずベタついた仕上がりになってしまいます。
熱くて大変でしょうが我慢して作業してください(笑)
裏漉したジャガイモをボールに入れて、
塩、卵黄、パルメザンチーズ、ナツメグパウダー、強力粉を入れます。
材料を混ぜてひとまとめにするのですが合わせ方にコツがあります。
パンをこねるような練る動作は厳禁です。
イモに粘り気が出てしまいます。
裏漉したときと同様に垂直に力を加えて合わせていきます。
強力粉は一度に沢山入れずに固さを見ながら合わせていきます。
難しいのは強力粉は作るたびに分量が全然違うことです。
ジャガイモの水分量によってかなり変動します。
究極は強力粉はゼロにしたいです。
強力粉が多ければ多いほどジャガイモの風味が薄れてしまうからです。
ですがそれだと当然固まりません。
ですから固まるギリギリの量を狙って加えていきます。
気をつけていただきたいのは茹でる前の生地の固さで判断せずに
少しちぎって実際に茹でて食べてみることが重要です。
というのは水分多めのジャガイモに沢山粉を入れると
茹でる前だとちょうど良かった固さが茹でたら固くなってしまう場合があるからです。
これは慣れるしかないと思いますので最初の内は多めに仕込んで
味見を沢山することをお勧めします。
慣れれば1、2回の味見で作ることができます。
頑張ってください。
出来上がった生地を適宜切り出して棒状に打ち粉をしながら伸ばしていきます。
伸ばした生地を包丁でカットしていきます。
生地作りはこれで終了です。
少ししょっぱいかな?というぐらいの塩水を沸騰させてニョッキを茹でます。
最初は沈みますがプカプカと浮いてきます。
浮いたニョッキから取り出していきます。
ソースと合わせて出来上がりです。
今回は生クリームとゴルゴンゾーラチーズを温めたソースで作ります。
出来上がりました!
口の中でトロけてジャガイモの甘味がしっかり感じられます。
もし生地を作ってすぐに食べない場合は一回茹でて浮いてきたニョッキを
氷水で冷やして水気を切り、オリーブオイルを絡ませて
冷蔵庫で保存しておきます。
この状態で冷凍してもオーケーです。
使うときに茹でて浮いてきたらソースと絡めてお召し上がりください。
他にもトマトソースも相性良いのでぜひ試してみてください。
作るのが面倒でしたらぜひ当店に食べにいらしてください(笑)